さよならの言葉より---2---
消えない過去
消したりできない未来
未来が明るくないと思って
過去を振り返る
今だけは消えないから
今だけは過ぎないから
今だけは裏切らないから
***act4. 諦めないヒカリ(K.T)***
避けられていた。話し掛けられず、誤解されて・・・諦めかけていた。
打開できない未来を変える力は自らの胸にのみ宿ると知っていたのに。
「部長と副部長がそんなんでどうすんの!」
よく知る声が聞こえてきた。決して忘れることの出来ない声に心が揺さぶられる。
今話し掛けなければ一生後悔してもこれでお別れなのだと叱咤して一歩を踏み出す。
「そんじゃ、俺は上に行ってもテニス三昧だから一年なんてあっという間だにゃ〜。もし海堂が上がるならすぐ会えるもん。それまで怪我なんかしないように身体に気をつけるんだぞ!」
「ウッス。」
あいつの視線が俺を捕らえた。もう引けない、引かない。
「菊丸、話があるんだが。」
瞳が揺らいだ後、小さく頷いた。
「高校は別になってしまったがお互いにテニスを続けていればまたどこかで会えるな。」
そんなこと言いたかったのか?逃げ腰な心に喝を入れる。
「うん、俺も上に行っても絶対テニス続けるもん。」
そうだな。菊丸ならそう言うだろう。
「ああ。」
「それじゃね、手塚。不二が呼んでるから〜。後で部の送迎会でるっしょ?そんときにね〜〜。」
明るく手を振って掛けて行く。
空を切った腕を見つめ、いつかあの手を捕まえることが出来なかったことを悔やむ日がくるのだと思いを馳せていた。
***act5 走り抜ける青春(T.M)***
たった数分の距離でも明日からは別の学校。
だったら今、言わなきゃっすよ。真面目に好きです、先輩。
先輩が部長っと違った・・・。手塚元部長と話してるのを聞いちまった。
先輩の笑顔をもっと見ていたかったけど、もうそれも無理ならずっと笑っていられる状況を作ってあげたかったのに、それすら難しそうだ。
俺の脇を駆け抜けようとする先輩の腕を掴み声をかけた。
「エージ先輩!」
振り返った先輩の目じりにはジンワリと涙の滴が滲んでて、俺はどうしていいのか分からず立ち尽くしちゃったんだ。
「ありゃ・・。」
おどけたような呟きをこぼし先輩は手で隠すように顔を覆った。
「見つかっちゃったか。なんか俺ってば桃には最後までカッコワル・・。」
それは昔の話。先輩が二年で俺が一年の部に入りたての頃。
「にゃは・・・また失敗しちった〜。」
「英二ったら・・。」
はにかむ先輩に不二先輩が苦笑を漏らす。けど俺には見えたんだ悔しそうに唇を噛み締めた一瞬の表情が。
目が合ってしまった先輩は見られたかって表情をした後にシッと唇に人差し指を当てた。
それ以来どうも俺は先輩のバツの悪い場面に出くわしちゃうようだ。
「桃にはいっぱい見られちゃったもんなぁ〜、その度になんだか慰められてさ〜でももう俺大丈夫だから。桃、じゃぁね。」
澱みのない笑顔に胸打たれた。
真っ直ぐに見つめよう。茶化すのはやめよう。
いつかきっと俺は元部長よりいい男になってみせますから、見てて下さい。
この恋はまだ終わらない。
***act6 長い人生(S.I )***
どちらかが後悔しない道だと二手に分かれた道を指していった。
未来はいつも予測不可、だから面白い。
「英二。大丈夫か?」
伏せ目がちで寂しそうに微笑む英二が心底好きだと思う。でも言わないのは今の状態に付け込むようなことはしたくなかったから。
どうやら別々の道を行くことを選んだらしい。
けどそれは好都合、手塚と違いこれからいくらだって振り向かせることは出来る。
俺は同じ学校を選んだから。
「うん。ヘッチャラだよ〜ん。今日はお祝いだから無礼講だってーー!」
「英二に無礼講なんてあるのかい?」
「失礼だな〜乾。俺だって普段我慢してることや、抑えてる鬱憤があるんだから〜にゃ〜。」
「それなら言った方がいい。」
「えっ?そ、そんなマジ話でもないもんね・・・・。」
「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥。こと恋に関しては言うは一時の悔い、言わぬは一生の悔いだからね。それに英二には黙ってたけど手塚は遠くに行ってしまうんだ。」
「・・・・・・・・・。」
嘘も方便、本当は電車でたった三十分の場所。でも心の距離は遥か遠くなってしまう筈だよ。
「英二、正直なるんだ。自分にだけは嘘ついちゃ駄目だよ。」
「・・・うん。」
迷ってるみたいだけど小さく頷くと力強い歩調で駆け出した。
手塚、今は君に塩を送らせて貰うよ。
だって長い人生で勝負は始まったばかりだからね。
言い訳
みんながみんなエイジさんを好きだったらどうなるの?
そんなコンセプトに書き出したかどうかは定かじゃないが・・・・
みんな英二さんを好きみたいですね。
なんだかんだ言っても手塚氏と英二さんは両思い(?)なのかな?
しかしこんなに視点がグルグルしたら訳分かりませんし、読み難い。
また駄作を作りだしてしまいすいません。
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