俺たちの進化について 2



進化することが必ずしも必要とは限らない
それは何をもって進化とするかによるから

そう人は必ずしも進化を望んではいない






  第二話 部内恋愛革命


  マジっすか?
  俺の心がエンドレスにそう叫んでいた。


 その日部ではちょっとした事件が起きた。それは少なからず僕にも影響ある出来事だった。

 「告白されたの?」
 「そう!そうなんだー。本当は恥ずかしいからあんまり人に言いたくないんだけど〜不二だから特別だよ!」
 特別・・・。
 英二が照れたように頬を赤らめて手で鞄を抱きしめながらその時の詳しい告白状況を話している。
 しかし僕にはそんな話、耳に入ってこなかった。
 
 「そ、それで英二はなんて返事したの?」
 「もちろん。いいよって!」
 その時、僕の心は氷ついた。


 「エージ先輩!!・・・エージ先輩っどこっすか?!」
 「ああ、もも。どったの慌てて?」
 放課後、慌てて部室に走り込んできた桃は英二を見つけるなりまっしぐらに突っ込みそうな勢いで翔けてきた。
 「エ、エージ先輩!!二、二年の女子からの告白を受けたって本当っすか?」
 「桃、情報が早いね〜。ホントだよ。」
 桃が顔を見る見る青くして恐る恐る尋ねた。
 「それで・・返事は・・・・。」
 「もちろん〜いいよってvv」
 英二は桃にニッコリと微笑んでピースサインまで作ってトドメを刺した。

 英二の事が好きな桃。
 可哀想に、当分立ち直れないくらいのショックを受けているのがありありと分かる。
 でもそれは僕も同じで英二の笑顔を直視することも、友人として祝って上げることも出来ない。


 「英二が彼女を作ること、乾は知ってた?」
 僕は乾と二人になったのをいい事にさり気なさを装い何気なく聞いてみた。
 「知ってたけど。」
 ノートから顔も上げずに乾は言ってのけた。
 僕にとっては天地を揺るがす大事件でも乾にとっては大したことではないらしい。
 「そう。英二のことなんでも知ってるんだね。」
 これは嫌味だ・・・。こんなこと乾に言うつもりなんてなかったのに。
 「不二・・・。」
 乾は少し意外そうにメガネの奥で目を細め僕をジッと見つめた。
 「ごめん。」
 「いや。不二、今まで気づかずにすまなかった。」
 今更、何が?なんて言って惚けてみても乾にはどうせバレバレだろうから僕は誤魔
化すことを放棄した。
 「誰にもばれない自信あったんだけどね。」
 「本人にもかい?それじゃあ意味がない。」
 「しょうがないよ。本人にバレたら終わってしまうじゃないか。」
 「終わらなかったかもしれないよ。」
 「今更だよ、乾。」
 そう呟くと僕と乾は練習に戻った。


 練習後、僕はある人を待った。
 大切な親友が僕のような後悔をしないように僕の辛い経験を忠告してあげようと・・・。

 「手塚。」
 「不二か?」
 部室に施錠をしていた手塚は暗がりにいる僕が見え難いのか声を頼りに目を凝らして聞き返してきたので僕は数歩前に出て姿を表した。
 「どうした?」
 「話があって君を待ってたんだ。」
 「急用か?もう遅いから明日じゃ・・。」
 「明日じゃ駄目なんだ。」
 僕の真剣な表情に手塚がため息をついて歩き出した。
 「不二、悪いが・・この鍵を職員室へ返してくるので・・。」
 「歩きながら話そう、手塚。」

 手塚と並んで歩きながら僕は何から話すべきなのか考えていたがただ1つ言えることは手塚には後悔して欲しくないということだった。
 「手塚・・・、君は後悔しない道を選ぶべきだよ。」
 「何のことだ。」
 「・・・乾のこと。僕のように・・後悔して欲しくないんだ。」
 「・・・・・・・。」
 「今になって思えば、英二を好きになったことは後悔してないけど伝えられなかったは後悔しているよ。」

 伝えられずに中に舞ったこの思いは二度と告げられないだろう。
 後悔というなの蜘蛛の巣に取り込まれた思いはもう日の目をみる事はない。
 それはかくも辛く、物悲しい。
 「・・不二・・・。」
 手塚の視線を痛いほど感じたが振り向く勇気はなかった。

 英二の特別には何も意味がない。
 特別と言う名で葬られた僕の恋心はいつの日か風化して只の友人に戻れるだろうか?



 けど僕はそれをまだ望んでいない。







言い訳
 目指していたのは爽やかで明るい
ビバヒル風青春群像だった筈だったのに・・・・・・。
 なんか恋本気より切ない系になってきた・・・?
 しかも亜流・・・・・・。恋本気に似てないかい?
 なんか自らの作品を超えられないなんてキリコみたいっすね。
 そのうち自ら贋作だぁぁぁっぁぁっぁって叫ぶんでしょうか?





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