恋が本気になるまで 4


何を思って暮らすのかそんなこと知りはしない
どうでもいいから

誰を気にしていてても知りはしない
どうでもいいから

どうでもいい筈なのに目はいつも追っていた
どうでもいいならどうして追うのか

視線が辿り着く先は真実のみ



 「手塚、話があるんだけど・・・・・・・・・・・。」
乾が去ってから少しの沈黙を破って俺が口を開いた。

乾にはああ言われたけどどうしても不二とは親友でいたいからこの選択をする。
誰よりも近くにいて相談に乗ってくれた不二だから・・・・。だって俺一人が幸せになるよりも皆が幸せの方がいいから・・・・・・・。

 「なんだ?」
 「・・・・俺たち・・・・・・・・別れたほうがいいと思う。」
 「・・・・・・・・・・・・・・・?」
 「俺たち別れよう。手塚・・。」
 「?????」
 「だから別れよう手塚。」
 「別れる?何故だ。」
 「そのほうがいいんだよ。」
 「・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
 「・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
俺と手塚の間に数分の沈黙が落ちる。手塚は俺の眼を見つめ表情から真意を測ろうとしていたが俺はそんな手塚を直視する事が出来なかった。
 「・・・・・わかった。」
手塚の手が俺の顔に近づいてきた。
殴られる!反射的にそう思い目を閉じた俺に、手塚の手が俺の眉間へおろされその指が優しくなでた。猫にやるように優しく・・・・・・・・・・・・。
 「ごめん手塚。」
 「・・そんなに顰めて・・悪かったなお前に嫌な思いをさせて。」
 「・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
皆、優しすぎだ。
乾も手塚もこんな俺のこと最後まで心配して・・・・・・・・・。俺ってば我儘ばかり言ってるのに最後の最後まで気遣ってくれて・・・・・これじゃあふん切れないし忘れられないし別れられないよ。
 「ごめん、ごめん、ごめんなさい手塚。」
俺はどうしようもなくなり手塚にすがって泣いた。
この時の俺は手塚がどんなことを思いどんなことを考えているのかなんてちっとも知らなかった。
 「・・・ごめん。」
 「もう泣くな。」

少し泣きつかれ寝てしまった俺が次に目覚めた時は家の布団の中だった。
後で姉ちゃんに聞いたら意識がない俺を手塚が家まで送ってくれたようでそのまま部屋のベットまで運んでくれたんだって・・・・・・・・。
俺は次の日もその次の日も学校を休んだ。



手塚・・・・・・・・・・・すぐわかったって言ってた。
自分で言い出したのにあんなにあっさりしてると手塚も別れたかったのかなって思っちゃうよ。あの選択はきっと正しかったって・・・・。
2日間ベットの中で考えるのは手塚のことばかりで他には何もないし誰もいない。
こんなにも俺の中には手塚でいっぱいだったんだね。
手塚は今何してるのかな?
授業中?今度のテスト勉強一緒にしようねって約束したのに・・・。
御弁当は?手塚に卵焼き作ってくるねって約束した。
部活?最後の夏だから一緒にレギュラー入りしてそんで全国に行きたいねって話したよね。
今度映画に行く約束は?水族館にも行くって言った。遊園地で一緒にジェットコースターに乗る代わりにお化け屋敷に入る約束もした。
それなのにそれなのに・・・・・・・・・・・・・手塚・・・・・・・。


 あいたいよ。


 てづかあいたいよ。


 てづかにあいたいよ。


 てづかそばにいてよ。


 てづかずっとそばにいてよ。




その日俺はさらに熱を出し1週間休んだ。その間手塚は現れなかった・・・・・・・・・・・。






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