恋が本気になるまで 15 |
真実の君が涙した 極自然な仕草 僕の心に染みたのは 極自然な気持ち |
「誰が誰を好きだって構わない!」 最初からそう言う気持ちを持っていたら誰も傷つかずに済んだのかな? 今となってはわからないけど好きなものは好きだと大きい声で言いたい、桃に貰った勇気を無駄にしたくないから、本当のことだけを伝えたいんだ俺! 一時間目が終わったばかりで教室には人がまばらで・・・俺はそっと不二に近づくと声をかけようと口を開きかけた。すると・・・・。 「英二、話があるんだ。」 先に言われちゃったけど俺も不二に伝えたい言葉がある。誰よりも必要な友達だから真実で語り合おう。きっとそれが正しいと気づいたから・・・。 「俺も〜不二に大切な話があるんだよね。だから帰り一緒にマック寄って行かない?」 きっと今の俺は無敵だって思う。だって吹っ切れたからこれは破れかぶれとは違うんだ! 「わかった。」 不二も特にいつもとかわらず頷いた。 放課後どうなるんだろう。少しだけ不安が広がったけどでも明日も不二と友達でいれたらいいそれだけを祈っていた。 「僕は英二が大事だよ。友達だから。」 人がざわつくマックでは誰もが自分の話に夢中、俺たちもその中の一つ。 不二はいつになく真剣な瞳で切り出した。俺も真面目に答えた。 「うん、俺も不二が大事だよ。」 「本当のこというね。」 「うん、俺も本当のこと言うから一緒に言おう。」 「そうだね。」 今までにない緊張感の中で俺は努めて明るく言うと不二は笑顔で頷いた。 けど俺も不二も強張って上手く笑えなかった。 震える鼓動、震える手、震える吐息・・・・。 「今でも俺・・。」 「今でも僕・・。」 「「手塚が好きだよ。」」 おかしな話だよねでも言い終わった後、二人とも目を見開いていた。信じられないものでもみるように・・・今思うとおかしいよねもう知ってた事なのに・・・・。 「あははっはははは。」 二人とも久しぶりに笑ったような気がした。 何もなかった頃のように笑い合えたのも久しぶり。 「不二、やっと言ってくれた!」 「英二も、本当のことを言ってくれたね。」 大声で泣き笑いしてる俺たちはマックでとっても目立っていたな。気にも留めていなかったけどね。 「不二はいつから好きだったの?」 「初めて会ったときからかな。」 即答した不二に驚いた。だってそれって・・・・。 「えっ!じゃあ、あの日、部活で俺と一緒に会った時から?」 「そう。だけど、ううんだからわかったんだ。手塚が誰を見ていたか。」 「・・・・・・。」 「手塚はずっと英二を見ていたんだよ。」 全然しらなかった・・・、でもそんなこと言えなくて黙り込んだまま不二の次の言葉を待ったみた。 「でもね、手塚がいっくら英二を好きでも英二には乾がいるから無理だって思ってたんだ。こんな卑怯な気持ちを抱えてずっと言わずにいて拒絶されるくらいなら黙っていようと思ったよ。」 「不二・・・・・・。」 「だから英二と手塚が上手くいったとき僕は何も言うことが出来なかった。先に諦めて言わなかったのは僕だから。英二は何も気兼ねなんてする必要なかったんだよ。」 不二が薄く笑い俺に優しいことを言うから俺は堪らなくなった。そんなに自分を責めないで欲しい。 不二は悪くないから・・だってこの恋は誰も悪くなんかないから。 「そんなことないよ!俺は馬鹿だから不二がどんな気持ちでいたかも知らず自分だけが傷ついたような振りして・・・・手塚に酷いことしたんだ。ううん手塚だけじゃない、不二の気持ちも、おちびや桃の気持ちを踏みにじって乾の忠告も聞かないで・・・・・・・。」 「・・・英二。」 「不二、ごめんね。」 「英二、僕たちとっても変だよ。もっと早くこういう風に本当のこと言えばよかったんだね。」 不二の言葉に俺も心から頷いた。絡まってほつれた糸がまた一本の糸に戻っていくみたいに・・・・。 「不二。俺ってホントバカだけどこれからも友達でいてくれる?」 俺は思い切って不二にずっと心に燻っていた言葉を口にした。 「やだ。」 「・・・・・・えっ?」 「手塚と仲直りしないなら友達やめるよ。」 「・・・・・・・・・・。」 「やめるよ。」 涙が溢れるという体験をした。 嬉しいような悲しいような訳のわからない気持ちが溢れ出してこれが感動?感動したんだ俺・・・。 「ぅ・・・ふ、・不二は・・・・それで・・いいの?」 後から後から零れる涙を拭いながら不二に尋ねると・・・。 「もちろん、英二も手塚も大事だからね。」 「今更・・許してくれるかな。」 「うん。手塚だから大丈夫。」 「・・・・・・・・。」 「だけどその前にケジメ付けさせてくれる?前に進みたいから・・・。」 「うん。もちろんだよ。」 不二のケジメそれはきっと告白、そして俺もつけなくちゃいけない決着がある。 「英二、二人共振られたら慰め合おうか?」 「プッ、不二って優しいのか意地悪なのかわかんないよ。」 「・・くすくす・・・・・・・。」 「ねぇねぇ不二・・・俺たち泣いたり、笑ったりしてすっごくマックで目立ってない?」 「そうだね・・出ようか。」 不二はそう言うとすっと立ち上がりトレーを戻した。 その後姿に向かって俺は決意していた。 不二にもらった勇気、桃にもらった勇気、乾にもらった勇気、おちびにもらった勇気で俺は明日手塚に真実を話そうと決意していた。 「明日、また学校でね。」 「うん。」 |
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