一番は誰? 2 |
「英二、一番は誰?」 青学男子テニス部は突如恐ろしい会話に突入していた。 |
事の起こりは、一時マネージャー化した乾及びレギュラー陣の面々が都大会に向けてのミーティングをしていた時に始まった。 「ねえ、もういいだろ。練習に行こうよ。」 退屈に耐え切れずあまり話を聞いてなかった菊丸が突然大爆発した。 そんな菊丸をなだめるのは普段ならいつも通りダブルスのパートナーである大石のはずだったのだが今回は何故か先に不二が声をかけた。 それが全ての始まりでもある。 「英二、ちゃんと聞いてないと。後で困るのは英二だよ。」 手塚にグランド走らされるよっと菊丸にだけ聞こえるように囁いた。しかしその内緒話を快く思わない桃城の声が飛ぶ。 「不二先輩、エージ先輩にこそこそ話するなんてずるいッスよ。」 桃城が横槍をいれ話がそれそうになったところを手塚がジロッと一瞥し黙らせた。手塚も機嫌が悪いようだ。 「桃城、余計な話はするな。」 「ハイ・・・。」 「手塚、機嫌悪いんじゃない。イライラしてると老けるよ。」 「・・・・・。」 「・・・・・。」 「・・・・・。」 「・・・・・。」 「・・・・・。」 「英二、そんなにはっきり本当の事言ったらだめだよ。手塚も気にしてるんだからね。」 「・・・・・・。」 「・・・・・・。」 天然菊丸の爆弾発言に全員が沈黙したがただひとり不二だけは判っていて更に追い討ちをかける一言を発し、その言葉によって場は一部例外を残して凍りついた。 「そうなの手塚?」 気にしてるのにごめんねと続ける天然王菊丸。 「黙れ(怒)。」 眉間の皺を増やし怒るに怒れない手塚は不二を睨みつけた。 「そんな事よりダブルス2いつも試験的にメンバー変えてるなら僕英二と組んでみたいんだけど。」 不二は他の面々を綺麗に無視してマイペースに話を進めていく。しかしその内容をやはり快く思わない面々により反撃にあう。 「不二先輩抜け駆けはナシですよ。青学ナンバー2なんですからこれからもシングルス2でいいじゃないっすか、それより俺ですよ。これから将来のためにも菊丸先輩と組んでより本格的にダブルスを学びたいっすよ。」 何気に失礼な桃城の説得力が有りそうで無さそうな言葉に騙されそうになるがそうはいかないのが曲者ぞろいの青学である(笑)。 「桃は僕がずっとナンバー2に甘んじてると思ってるんだ(怒)。」 にっこり笑顔に青筋を立てるという高度な技をやってのける不二に勢いをそがれた桃城が弁解していると他のメンバーも主張し始める。 「いや桃じゃ英二はカバーしきれないよ。ここはやはり全国に行ったゴールデンコンビである俺がずっと・・。」 大石が一歩間違えば自慢話となりそうな主張を始める。 「先輩。それならオールランダーである俺が・・。」 「だめだよ。越前は桃城と組んだ時だって散々だったじゃないか。それよりパワーで攻める俺なら英二の負担も減るし・・・。」 「いや河村先輩は不二先輩と組んだ時の怪我もあるしここは自分がブーメランスネイクで・・。」 各自の主張を抑え不二が最後に止めとばかりに言い切った。 「海堂君はブーメランスネイクをシングルで生かしたいんでしょう。だからやっぱり僕が一番適任だと思うんだけどどうかな手塚?」 「不二。誰が適任かと聞かれたら・・・。」 今まで押し黙っていた手塚が不意に口を開いた。 「「「聞かれたら・・・・?」」」 皆が固唾を飲んで手塚の答えを待つ。 「俺だ。」 「・・・・・・。」 「・・・・・・。」 「ここは本人に聞いたらどうだ?」 乾が第三者の至極まともな一般人としてとても常識的な意見を述べた。 「英二、誰が一番いい。・・一番は誰?」 「う〜ん。」 考え込む英二。答えを見守る一同。 「っていうか俺シングルスがいい。」 「・・・・・・。」 「・・・・・・。」 チャンチャン。 |
| ← 小説TOP |