一番は誰? 1 |
「毎回学年で10番以内に入ってるよ。」 その衝撃的な一言は俺たちを凍りつかせるのに充分だった |
青学テニス部の朝練が始まる前のコートは練習の準備を行う1年生たちで溢れ、それぞれ思い思いの話に花を咲かせていた。 「3年の先輩たちの中で一番頭いいのは誰だと思う?」 突如カチローが日頃思っていた疑問を口にしたのだ。珍しく早起きしてコートにやってきた越前は思わずボソッと呟いた。 「手塚部長。」 その意見にカチロー、堀尾、カツオはうんうんと頷いた。 「でも乾先輩も頭いいんじゃない。」 とカツオ。 「そうだね。それに不二先輩もよさそう。」 とカチロー。 「大石副部長も頭いいんじゃないか?」 と堀尾がいうとカチロー、カツオは「そうだね。」と頷いた。越前はとくに興味がないのか明後日の方を向いていた。 そこに2年生の桃城がやってきた。 「よう越前、はやいな。珍しいじゃないか。」 越前は余計なお世話だと思いながらも相手にせずながした。かく言う桃城本人も珍しく早い一人であった。 「おはようございます、桃ちゃん先輩。」 カチロー、堀尾、カツオが声を合わせて叫んだ。 「何の話をしてたんだ?」 桃城に質問されたカチローが今までの経緯を話した。すると・・・。 「桃先輩は毎回ギリギリって感じっすよね。」 怖いもの知らずの1年生、越前が突如失礼な暴言を吐く。それに慌てた3人は越前をたしなめた。 「リョーマ君失礼だよ。」 越前の暴言に桃城はたいして怒った様子もなくあきれたように言った。 「越前、言っておくがうちの部はレギュラーが学力試験で50位落ちをしたら即レギュラーも落ちだぞ。」 入部式の時に聞いてなかったのか?とつづけ桃城は越前を見た。その言葉に衝撃を受けたのは何も越前だけではない。他の三人も三様に驚いていた。 「リョ―マ君、50位以内って大丈夫なの今度の試験?」 聞き様によってはちょっと失礼な質問をするカチロー。 「さらに赤点とったら即刻退部だからな気をつけろよ。」 桃城は意地悪い笑みを浮かべ4人を脅かした。 「それより、菊丸先輩も50位以内なの。」 越前は何よりもそのことにショックを受けていた。その問いに桃城は更に人の悪い笑みを浮かべ、もっとも衝撃的な言葉を越前に継げた。 「エージ先輩は毎回学年で10番以内に入っているよ。」 「・・・・・。」 「???」 「!!!」 「?!」 4人はしばし絶句した後に「え〜〜〜〜〜〜〜。」と叫んだ。その物凄い絶叫にコートにいた全員が何事かと振り返って見ていた。 桃城は4人の予想通りのリアクションを面白そうに勝ち誇ったような笑顔で見ていた。 「嘘。」 越前は一言呟いただけだった。 「・・・・菊丸先輩って頭いいんだ。」 カチローがやっとの思いでそう言うと堀尾、カツオも頷いた。 「おはようございます。」 「おはよ〜ん。」 挨拶が飛び交い三年生が次々コートに入ってくる。そんな会話がなされているとは露知らない噂の人は桃城、越前のもとへとやって来た。 「あ、桃、おちびちゃ〜ん。ヤッホー。」 いつもの溢れんばかりの笑顔で近づいてくる菊丸に、越前、カチロー、堀尾、カツオは90度のお辞儀をして。 「おはようございます。」 「お、おはよう?????」 カチロー、堀尾、カツオはともかく越前の急な態度の違いに菊丸は訳がわからず?マークを飛ばすのだった。 桃城はそれを見て一人爆笑していた。 その日以来、越前は菊丸に礼儀正しくなり尊敬の眼差しを向けるようになり皆に気味悪がられたという。その理由は桃城だけが知る。 end |
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