僕らのアイドル! 1 |
伝説のアイドルと普通のアイドルいったいどう違うの? 本物か偽者か?そんな問が意味をなさない偶像 それがアイドルそれだけが全て 光が違う?そんなの角度によってだよ オーラが違う?そんなもの見えるものか 自分だけが真実 自分の見るものが真実 アイドルはアイドル |
裕太は常々思っていた。 ――どうして俺はこの学園に来たのだろう? その答えは唐突にやってきた。 「裕太君。」 「なんですか観月さん。うう・・・・・・・・・・・。」 「なんですか裕太君。人の顔を見て変な声上げないで下さい。」 裕太は急激な体調の変化に襲われていた。 ――なんだこの動悸、息切れ、顔が熱い、いったいどうしたんだ俺は・・・・・・・・・・。 「どうしたんです。顔が赤いですよ熱ですか?大事なコンソレーションの前にレギュラーである君が体調を崩すなど・・・・・・・・聞いてるんですか?」 「え、アッいやこれはなんと言うか・・・・・・・・・。」 「本当におかしいですよ?」 そう言って子供の熱を測るように額を近づけていく観月。 ――俺は観月さんに見とれた。そっと近づき額の髪をかきあげる仕草、おでこが露になり普段は長い前髪で気付かない端整な顔立ちが直際立つ。近づいてきた顔が本当に綺麗で、女でもないのに妙に色っぽくてドキドキが止まらなくなった。 「熱はないみたいですね?」 離れていく観月はじめの顔をボケーとして見送る不二裕太はこれがお医者様でも草津の湯でも治せぬ不治の病であることを知らなかった。 病名 恋 誰しもが一度は発祥する厄介で絶ちの悪いウィルス この病を治せる特効薬を作ることが出来たものはノーベル賞モノだと言われている 特に初めてかかるものを初恋といいこれは後を引くのが特徴 不二裕太は中学二年の緑生い茂る6月に発祥した。発病したら手遅れ直る見込みなし、今のところよく利くといわれている薬は『失恋』。 「裕太、最近観月となんか有った?」 「ど、どうしてっすか?赤澤部長。」 「いやだって裕太何となく観月を避けてるだろ?」 「・・・・・・・・・・・・・。」 ――確かに避けてる。なんでだかわからないが観月さんが近づいてくるだけでドキドキが止まらず、他の人と話してるのを見ると苦しい。動悸、息切れ、不整脈。何か悪い病気にでもかかったのだろうか? 「なんだ黙って、どうした?」 「・・・・・・・・観月さんがなんか言ってたんっすか?」 「いや別にそういうわけじゃあ・・・・。」 「そうっすか。」 赤澤の言葉にがっくりと肩を落とした裕太はゾンビのような姿で去っていった。 後に残された赤澤は・・・・・・・・・・・。 「本当にどうしたんだ。おかしな奴。」 「裕太君やる気あるんですか?」 観月がその形の良い眉をグッとカーブさせ裕太を一瞥した。 そしてまるでサクランボの様な唇が流麗な言葉を紡ぐ(という風に裕太並びに赤澤を除くルドルフ部員には見えていた)。 ちなみに赤澤にはこう見えていた(一般的のごく普通でありふれたビジョン)。 ――観月がまた怒鳴ってる。 ビジョンさえも変える恐るべき絶対女帝政(それがルドルフ!)。 「裕太君、聞いているのですか?」 「はひィ、聞いてます。」 ボケッとしてる間に観月が凄く近くまで来ていることに気付かず慌てた裕太は思わず声が上ずってしまっていた。 「どうしたのですか。この間から様子が変ですよ?」 「そうだ裕太変だーね。観月を避けてるみたいだーね。」 観月の言葉を畳み掛けるようにアヒルこと柳沢慎也と他のレギュラー部員たちが話に参加してきた。 「そんなことは!」 「弟君、兄貴となんかあったの?」 ノムタク先輩こと野村拓也がいつもの如く禁句を連発するが今日の裕太は特に反撃することもなかった。よって口々に先輩たちから具合悪いのか?と心配される羽目となった。 「絶対おかしいよ。」 「そうだーね。」 「おかしいな。」 「観月、このままじゃコンソレーション裕太抜きでいくしかないな。」 「そのようですね。困りますよ彼は大事な戦力なんですから。」 観月と赤澤は部室で間近に迫った関東大会へのコンソレーションのメンバー選びの相談をしていたのだが・・・・・・・・・。 何時しか話題は次第に反れていった。 「観月少し変わったな。」 しみじみと話し出す赤澤に観月は聞き捨てなりませんねというように赤澤に食って掛かった。 「何がいいたいんですか、赤澤。」 「前よりのびのびしてる感じがして今のほうがいいよ。本来のお前らしいってゆうか。」 「赤澤、本来の僕らしいってなんですか?そんな事赤澤にわかるのですか、僕は僕です。今も前も変わりはありませんよ。」 眉を顰め赤澤に反論する観月。 「そうか。」 「そうです。」 観月の言葉を受けそれ以上何も言わない赤澤だったが心の中ではこう呟いていた。 ――観月は変わった。変えたのは間違いなく奴だ・・・・・・・・・・・・。 |
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