わかって欲しいけど


他人に理解してもらいたければ
まず自分が他人を理解しなければならない

でも本当に理解して欲しい人には伝わらないのは何故だろう?

貴方の理解の枠を超えた信頼が欲しい
それは俺の我儘ですか・・・・・・・・・


あなたは今の生活に満足してますか・・・・・・・・・・・100%
恋人には満足していますか・・・・・・・・・・・・・・・・・・100%
自分の欲求が限界に越えそうだと思いますか・・・・120%



 「牧は今好きな人とかいるか・・・・・。」
藤真の問いに牧は一瞬言葉を詰まらせた。とても一般的な恋の話なのに二人の間では一回も取りざたされた事がないからだ。
 「何だ急に・・・・・・。」
藤真は今日ある決意を胸に牧をうちへ招待した。今世紀最大の秘密を親友である牧に打ち明けようとしていた。

 「仙道と?付き合っている??」

打ち明けられた牧は仙道といわれどうリアクションしていいのかわからず「どの仙道だ?」といまいちずれた質問をしていた。
 「陵南の仙道彰だ。」
 「あ・の・仙道彰か?」
牧は一言一言を区切り確かめるように問う。
 「俺の知らない仙道彰が他に存在しなければその仙道彰だよ。」
牧の反応に藤真は笑いをこらえながら答えた。
 「俺の言っている仙道とお前の言っている仙道は同じ男なのか?」
 「同じだ(多分)。」
 「で、その仙道がなんだって?」
 「だから付き合っている。」
 「誰と?」
 「俺と。」
 「誰が?」
 「仙道が。」
 「藤真と?」
 「そう。」
 「仙道が?」
 「そうだよ。」 
交合にかわされる会話は嫁姑コントのようでまさに「ご飯はまだかい?」「さっき食べたじゃないですか。」「そうかいところで飯はまだかい?」「だ〜か〜ら〜さっき食べたでしょう(怒)。」って感じですね。

 「ちょっと待て藤真会話を整理するぞ。お前に友人が出来てそれが仙道章だってことか?」
牧の戸惑いながらも必至に理解しようとしてくれている姿に藤真は感心しながらも可笑しくなってからかい混じりに答えた。
 「おしい〜けどちょっと違う。俺に恋人が出来てそれが仙道なんだ。」
 「なるほどお前に恋人が出来てそれが仙道なのか・・・・・・・・・・・・・・・ってオイ二人とも男だろ。」
 「そうそれ実は・・・・・・・・。」
 「実はお前が女だったのか?」
 「殴るぞ牧(怒)。」
 「じゃあ仙道が・・・・・・・。」
 「牧、それは在りえないからそれ以上言うな。」
 「・・・・・・・・・・・・・・・。」
 「好きなんだお互い。牧はこういうのってダメか?」
藤真の今まで笑っていた目が急に試合中のような真剣な瞳へと変化した。それを見た牧は藤真の思いの深さを知った。
 「いや、いんじゃないかお互いがお互いを思っているのなら。」
牧の言葉に安堵する藤真。いつの間にか手にはじんわりと汗をかいていた。
 「緊張したよ。何ていわれるか不安だった。」
 「俺がどうこう言える問題じゃないだろ。言ったところで気にしないだろうし。」
 「牧・・・・・・・・・。」
牧の言葉に曖昧に笑って返す藤真。正直まったく気にしないといったら嘘になる。人の評価を気にしないで生きていけるほど藤真は強くない。
 「それで何で急にそんな話をしたんだ。」
藤真の打ち明けに解せぬものを感じた牧は問い詰めてみた。
 「ああ、あのな。・・・・・・・・・・・・どうも仙道が浮気しているみたいなんだ。」
藤真が伏せ目がちで少し唇を噛み告げると牧はその内容よりも藤真のその色っぽい姿にドキドキしてきた。
 「ウォホン。う、浮気か・・・・・・。どうしてそう思うんだ。証拠でもあるのか?」
牧は慌てて邪念を振り払うように咳払いすると理由を聞いてみた。ところが藤真は瞳を揺らすと話し出した。
 「この間、仙道が急に約束をキャンセルしてきて同じ日に他の女性と会っていたんだ。そして部屋に手編みのセーターが・・・・。男が恋人を作るなら当然男よりも女がいいにきまってる。特に仙道は女たらしで有名だったし。」
藤真のその笑顔が儚げで無理をしているのが牧にもありありとわかった。
 「仙道、許せん。」
 「牧?」
 「許せん。例え男同士だろうと一度付き合ったからには恋人同士。それをどんな理由があったにせ二股をかけるなんて相手にもお前にも失礼だ。」
 牧の怒りは想像を絶するものがあり藤真の方が面食らってしまった。牧は生理的にそういうものが許せないのだろう。
 「牧、落ち着け・・・・・・・。」
 「藤真はなんで落ち着いているんだ。」
 「それは・・・・・・・・。」
牧に真剣な目で問われ藤真は口ごもる。
 「このままでいいのか。」
良いわけがないそんな事は藤真も十分わかっていた。けど仙道を問い詰める事はこの恋の終わりを示しているそう感じてならないのだ。
しかし・・・・・・。
 「こんなの俺らしくない。決めた。仙道にぶちまけてやる。」
牧はやっと藤真に笑顔が戻りホッとしていたが反面少し煽りすぎた事も後悔していた。
 「牧、今日は聞いてくれてありがとうな。」
 「いや、元気になってよかった。」
牧の言葉に藤真は照れ笑いで返した。
 「明日早速仙道の所へ行って問い詰めてみるつもりだ。」
 「そ、そうか・・・・・・。」
牧はどもりながらそう言う。
暫らくし帰っていった。


 「煽り過ぎたか・・・・・・・。仙道すまん、だが自業自得だからな。」
藤真の家を出たところで牧はそう呟くと空を仰いだ。






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